ＨＡＬとは、アーサー・Ｃ・クラークとスタンリー・キューブリックが制作した映画、「２００１年宇宙への旅」に出てくる人工知能HAL9000型コンピュータのことです。ご存知の方も多いと思います。

ＨＡＬは木星探査に向かった宇宙船ディスカバリー号の航法コンピュータであり、この映画の主人公の一人でもあります。この映画は1968年4月に初公開されましたが、その難解なストーリーから当初の評価はかんばしくありませんでした。しかし、何度もリバイバル上映を繰り返すうち、物語の深い意味が理解されるようになり、不朽の名作の一つと称されるまでになりました。

公開から、ほぼ50年たった今でも、まったく古さを感じさせない映像は、ＳＦ映画というジャンルを考えると奇跡とも言えます。その秘密は、映画に登場する宇宙船や宇宙服が全て「本物」であることによります。つまり、この映画の宇宙船を設計したのはロッキード社、宇宙服はデュポン、宇宙ホテルはヒルトン、といった実際の一流企業の一流技術者が「本物」として設計したのです。その本物さが、50年を経てなお色あせない秘密なのです。もっとお知りになりたい方は是非DVDをご覧ください。

そして、人工知能ＨＡＬの設計者はＩＢＭ社です。　"ＨＡＬ"のアルファベットを一字ずつ後ろに下げてみてください。"Ｈ"の後ろは"Ｉ"、　"Ａ"の後ろは"Ｂ"、　"Ｌ"の後ろは"Ｍ"となります。そうです、"ＩＢＭ"となるのです。ＨＡＬとは、「全てにおいてＩＢＭの先を行く」という意味なのです。

この言葉は、ＩＢＭ自身が生み出し、そして、誰もが自由に使うことを許した素晴らしい言葉なのです。創業前から、いつか会社を興すときはこの名前にしようと決めていました。当社は設計事務所として創業しました。設計製図を全てコンピュータで行う設計事務所です。今では当り前の風景ですが、創業期の1991年では、「できたばかりの会社が・・」と驚かれました。